2020-01-01から1年間の記事一覧

アメリカが見た山本五十六 「撃墜計画」の秘められた真実

アメリカが見た山本五十六:「撃墜計画」の秘められた真実 上作者:ディック・レイア発売日: 2020/07/28メディア: 単行本山本五十六を撃墜するためのチームを率いた、ジョン・ミッチェル少佐について書いたもの。解読された暗号を元に、ブーゲンビル島上空まで…

日本領サイパン島の一万日

日本領サイパン島の一万日作者:野村 進発売日: 2005/08/05メディア: 単行本サイパン島に戦前入植した2人の山形県人をテーマにしたノンフィクション。冒頭、サイパン島の捕虜収容所で、戦後、勝ち組と負け組の対立があり、殺人事件まで起きていたことが明らか…

いくさの底

いくさの底作者:古処 誠二発売日: 2017/08/08メディア: 単行本戦闘シーンがない戦争小説。真相がどんどん二転三転していくので読んでいて引き込まれる。日本人も中国人もビルマ人も、ビルマで過ごしていれば外見では区別がつかなくなるということか。

最近のもの

佐々木愛「プルースト効果の実験と結果」文藝春秋 豊島ミホ「檸檬のころ」幻冬舎 木村友祐「幼な子の聖戦」集英社 赤松利市「アウターライズ」中央公論新社 小松左京「日本沈没 上下」小学館文庫 小松左京・谷甲州「日本沈没 第二部」小学館 中村文則「R帝…

時代

時代作者:本城 雅人発売日: 2018/10/18メディア: 単行本スポーツ紙の記者を題材にした小説。以前「傍流記者」を読んで結構良かったが、スポーツ紙と系列の球団との関係など、これも面白く読めた。

官僚制と公文書 改竄、捏造、忖度の背景

官僚制と公文書: 改竄、捏造、忖度の背景 (ちくま新書)作者:宗幸, 新藤発売日: 2019/05/07メディア: 新書安倍政権になってからのモリカケ問題や統計問題などを題材にしている。公文書の定義が曖昧なのはその通りだし、それを前提に実務が行われているのもそ…

掏摸

掏摸 (河出文庫)作者:中村文則発売日: 2013/06/14メディア: Kindle版面白く読めるが、最後の救いようのなさが残念だった。

ヒトラーの脱走兵 裏切りか抵抗か、ドイツ最後のタブー

ヒトラーの脱走兵-裏切りか抵抗か、ドイツ最後のタブー (中公新書)作者:對馬 達雄発売日: 2020/09/18メディア: 新書ナチスドイツでは脱走兵が数万人に及び、死刑判決が3万人と際立って多かったらしい。それも、前線からの逃亡ではなく、休暇中などの脱走が多…

戦慄の記録 インパール

戦慄の記録 インパール作者:NHKスペシャル取材班発売日: 2018/07/28メディア: 単行本(ソフトカバー)インパール作戦を取材した3年前のNHKスペシャルを残念ながら見ていないが、その取材班が取材の様子も含めて書いたもの。15軍司令部に勤めていた経理将校の…

全部ゆるせたらいいのに

全部ゆるせたらいいのに作者:一木 けい発売日: 2020/06/17メディア: 単行本(ソフトカバー)本の雑誌で推薦されていたので読んでみた。アルコール依存症の父親を持つ女性が、同じくアルコール依存症の夫を持ちながら子育てする様子が書かれている。女性の視…

ヤバい選挙

ヤバい選挙(新潮新書)作者:宮澤暁発売日: 2020/06/19メディア: Kindle版過去の選挙で珍しい事例がいくつも紹介されている。越境合併をめぐる村内対立をもとに、村長選挙に200人以上が立候補したという件が特に面白かった。また、選挙前になると転入届が急…

一下級将校の見た帝国陸軍

一下級将校の見た帝国陸軍 (文春文庫)作者:山本 七平発売日: 1987/08/08メディア: 文庫半世紀近く前の作品。ルソン戦で九死に一生を得た著者が、陸軍組織の不条理さ、空疎さについて指弾している。これが書かれた当時は戦争体験を共有する人たちがまだまだ多…

全滅・憤死 インパール3

全滅・憤死 インパール3 (文春文庫)作者:高木 俊朗発売日: 2020/07/08メディア: Kindle版高木インパール連作のうち、最近文庫化されたもの。戦車隊を湿地で使おうとする無謀さが伝わってくる。

レイテ戦記

レイテ戦記 上中下巻セット (中公文庫)発売日: 1974/11/10メディア: -おそらく小学6年生の頃に買ってもらった思い出深い本。学生時代以来、十数年ぶりに読み返した。昔は上巻の海戦部分をよく読んでいたことを思い出した。実際に従軍して九死に一生を得た著…

限界集落株式会社

限界集落株式会社作者:黒野伸一発売日: 2013/10/25メディア: Kindle版以前テレビドラマになっていたが、ブックオフで100円のものを見つけたので読んでみた。東京のエリートが限界集落で集落営農組織を立ち上げ、観光農園や直売などを織り交ぜながら発展して…

軍旗はためく下に 増補新版

軍旗はためく下に-増補新版 (中公文庫)作者:結城 昌治発売日: 2020/07/22メディア: 文庫戦後20年余りが経った頃に書かれた小説。敵前逃亡や自傷行為、上官殺害など、陸軍刑法の罪に関連する短編が5つ収められている。戦闘中に捕虜になり、脱出してきたら死刑…

増補新版 いま、地方で生きるということ

増補新版 いま、地方で生きるということ (ちくま文庫)作者:西村 佳哲発売日: 2019/12/10メディア: 文庫震災直後に東北を回って、そこでボランティア活動をしたり、震災を機に戻ってきたりした人を訪ねた様子が書かれている。秋田市の女性も2人取り上げられて…

最後の社主 朝日新聞が秘封した「御影の令嬢」へのレクイエム

最後の社主 朝日新聞が秘封した「御影の令嬢」へのレクイエム作者:樋田毅発売日: 2020/03/25メディア: Kindle版朝日新聞の創業家である村山家と経営陣との対立について興味があったので読んでみた。著者は村山社主付きとして5年ほど勤めた元朝日新聞記者で、…

ネット興亡記 敗れざる者たち

ネット興亡記 敗れざる者たち (日本経済新聞出版)作者:杉本貴司発売日: 2020/08/26メディア: Kindle版ライブドア事件に興味を持って手に取ったが、それだけでなく、楽天やアマゾン日本法人、サイバーエージェント、メルカリなど、様々なサービスの立ち上がり…

ヒトラー・マネー

ヒトラー・マネー作者:ローレンス・マルキン発売日: 2008/01/11メディア: 単行本第二次大戦時にドイツが行なっていた贋ポンド札づくりを扱っている。強制収容所からユダヤ人の技能者を集めて従事させていたというのがドイツ独特。戦争末期には収容所を転々と…

暴君 新左翼・松崎明に支配されたJR秘史

暴君:新左翼・松崎明に支配されたJR秘史作者:牧 久発売日: 2019/04/23メディア: 単行本昭和解体で国鉄改革を描いた著者の、その後のJRの労働組合を扱った著書。西岡氏のマングローブやトラジャと同じテーマを扱っていて内容も似通っているが、こちらの方が読…

雪国を江戸で読む 近世出版文化と「北越雪譜」

雪国を江戸で読む 近世出版文化と『北越雪譜』作者:森山 武発売日: 2020/06/26メディア: 単行本北越雪譜が出版されるに至るまでの経緯を丁寧におったもの。鈴木牧之の著書として捉えがちだが、鈴木牧之が江戸や大阪の著名人に幾度となくアプローチして出版を…

ノースライト

ノースライト作者:横山秀夫発売日: 2019/08/02メディア: Kindle版一年ほど前の本の雑誌で激賞されていたので図書館で予約していたが、忘れた頃に順番が回ってきたので読んだ。ミステリではなく、建築家が自分のルーツや人生を振り返る物語で、なんとなく温か…

渋谷上空のロープウェイ 幻の「ひばり号」と「屋上遊園地」の知られざる歴史

渋谷上空のロープウェイ 幻の「ひばり号」と「屋上遊園地」の知られざる歴史作者:夫馬 信一発売日: 2020/03/27メディア: 単行本(ソフトカバー)渋谷駅上空をロープウェイが通っていたとは知らなかった。昭和25年から2年だけ、東急百貨店の本店から別館の間…

長英逃亡

長英逃亡(上)作者:吉村昭発売日: 2013/06/13メディア: Kindle版高野長英が放火を唆して牢から抜け、逃亡する様子が描かれている。逃亡中の常に追手に怯える気持ちが伝わってくる。宇和島にも一時期滞在していたようで、笹まくらを思い出した。逃亡をあと数…

絶望の林業

絶望の林業作者:田中 淳夫発売日: 2019/08/06メディア: 単行本(ソフトカバー)タイトルが以前から気になっていたが近くの図書館に入っていたので読んだ。林業は製品の量をまとめることが難しいので、マーケットインではなくプロダクトアウトであるべきとい…

マネーゲーム崩壊 ライブドア・村上ファンド事件の真相

マネーゲーム崩壊 ライブドア・村上ファンド事件の真相作者:須田 慎一郎発売日: 2006/08/30メディア: 単行本二重らせんを読んで、改めて当時の経緯に興味を持ったので読んでみた。二重らせんにない記述は、木村剛の金融庁への影響力が、ライブドアによる市場…

二重らせん 欲望と喧騒のメディア

二重らせん 欲望と喧噪のメディア作者:中川 一徳発売日: 2019/12/12メディア: 単行本メディアの支配者の続編。フジテレビとテレビ朝日の創設のくだりから始まり、旺文社オーナーの赤尾家のマネーゲームを追ったり、ライブドアの日本放送買収劇の裏側を書いた…

アウシュヴィッツの図書係

アウシュヴィッツの図書係作者:アントニオ・G・イトゥルベ発売日: 2016/07/05メディア: 単行本収容所の中で、8冊の本を隠して管理し、子供たちの学校が運営されていたという。人の命のあまりの軽さに、読んでいて辛くなる描写も多いが、そういう環境の中でも…

テロル

テロル (ハヤカワepiブック・プラネット)作者:ヤスミナ・カドラ発売日: 2007/03/23メディア: 単行本イスラエルに帰化したアラブ人医師の奥さんが、実は自爆テロの犯人だったという衝撃的な設定。妻が自爆テロをしたことを受け入れられずに、エルサレムやベツ…