一下級将校の見た帝国陸軍

一下級将校の見た帝国陸軍 (文春文庫)

一下級将校の見た帝国陸軍 (文春文庫)

半世紀近く前の作品。ルソン戦で九死に一生を得た著者が、陸軍組織の不条理さ、空疎さについて指弾している。これが書かれた当時は戦争体験を共有する人たちがまだまだ多くいて実感を持って読まれたのだろう。ルソン島に渡る船内の様子、砲兵隊の人力での行軍の様子、捕虜となってからの収容所の様子など、どれも興味深い。