2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

堤清二 罪と業 最後の「告白」

堤清二 罪と業最後の「告白」 (文春文庫)作者:児玉 博文藝春秋Amazon 第47回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)受賞作。月刊「文藝春秋」の連載『堤清二の「肉声」』に大幅に加筆したもので、セゾングループの総帥だった堤清二氏が死の一年前、父・康次…

不屈の春雷 十河信二とその時代

不屈の春雷 十河信二とその時代 上作者:牧 久株式会社ウェッジAmazon ■東海道新幹線「生みの親」として知られる元国鉄総裁・十河(そごう)信二の波乱の前半生――。 東京帝大在学中に時の鉄道院総裁・後藤新平と出会い、鉄道院に入る。帝都復興院で関東大震災…

女のいない男たち

女のいない男たち (文春文庫)作者:村上春樹文藝春秋Amazon 舞台俳優・家福をさいなみ続ける亡き妻の記憶。彼女はなぜあの男と関係したのかを追う「ドライブ・マイ・カー」。妻に去られた男は会社を辞めバーを始めたが、ある時を境に店を怪しい気配が包み謎に…

ワーニャおじさん

ワーニャおじさん (岩波文庫 赤 622-2)作者:チェーホフ岩波書店Amazon 静かな田舎屋敷に,退職した教授夫妻がもどってきた.尊大で身勝手の教授と無為に日を送る美貌の妻は,人びとの暮らしに波紋を呼びおこす―苦悩と絶望にとらえられながらも,ひたすら生き…

親愛なる同志たちへ

1962年6月1日、フルシチョフ政権下のソ連で物価高騰と食糧不足が蔓延していた。第二次世界大戦の最前線で看護師を務め、共産党市政委員会のメンバーであるリューダは、国中が貧しい中でも贅沢品を手に入れるなど、党の特権を使いながらも父と18歳の娘スヴェ…

江島詣 弁財天信仰のかたち

江島詣 弁財天信仰のかたち (有隣新書84)作者:鈴木 良明有隣堂Amazon 江島は、風光明媚な景観や新鮮な魚介等で知られる日本屈指の観光地である。訪れる人々の多くにとって、緑の江島と相模湾越しの富士の佳景は格別なものがある。江戸時代まで江島は神仏習合…

ながい坂

ながい坂(上)(新潮文庫)作者:山本周五郎新潮社Amazon 徒士組という下級武士の子に生まれた小三郎は、八歳の時に偶然経験した屈辱的な事件に深く憤り、人間として目ざめる。学問と武芸にはげむことでその屈辱をはねかえそうとした小三郎は、成長して名を…

虐殺器官

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)作者:伊藤 計劃早川書房Amazon 9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、…