不屈の春雷 十河信二とその時代

東海道新幹線「生みの親」として知られる元国鉄総裁・十河(そごう)信二の波乱の前半生――。
東京帝大在学中に時の鉄道院総裁・後藤新平と出会い、鉄道院に入る。帝都復興院で関東大震災の復興事業に携わるなか、贈収賄の嫌疑をかけられる。無罪を勝ち取ったが鉄道省を去り、満鉄の理事として動乱の中国へ赴く。
十河が故郷・西条市に寄贈した膨大な資料をもとに、鉄道省贈賄事件の真相など埋もれた事実を丹念に掘り起こし、十河信二と彼の生きた時代を生き生きと描き出したノンフィクション。一代の風雲児、波乱の前半生――。

上下巻。牧久は国鉄改革をかいた昭和解体がとてもよかったので、これも関心を持って読んだ。戦後の新幹線建設は最後の1、2章のみで、戦争中までの記述が大半。浅原健三との付き合いなど興味深い記述が多い。