ドキュメント隠された公害: イタイイタイ病を追って (ちくま文庫 か 1-5)

富山県イタイイタイ病と同じ病気が東邦亜鉛鉱業所のある対馬でも発生していると知って、1969年8月、著書は対馬に渡った。しかし、対馬樫根部落の住民は一致団結して病気の存在を否定し、マスコミの取材を拒否しつづけた。いったい対馬に公害はあるのかないのか、もしあるとすればなぜ隠そうとするのか。一企業が住民に行ったおそるべき支配構造の実態を把えた迫真のドキュメント。

学生時代に読んでかなり強く感銘を受けた。その後の就活で通信社を受けたとき、エントリーシートにこの本や鎌田慧を挙げた記憶がある。今読むと、まだ30歳そこそこの著者が対馬で現地に受け入れられずにもがいている様子が痛々しく感じてしまうが、そのように体当たりで取材し続けていたからこそ、内部告発の書面が著者に送られてきたのだろう。