為替介入とは何か 200兆円規模「外為特会」が生まれた謎 (集英社新書)

2020年代以降進んだ円安により、財務省が実施する「為替介入」がメディアなどでも話題に上るようになった。しかしその内実は、あまり一般の人々に明かされていない。本書は実務家として経済政策の最前線にもかかわってきた経済学者が、為替のメカニズムや介入実施の過程、政策としての歴史を解説。さらには為替介入によって生まれる外貨建て資産「外為特会」の謎を明らかにする。ロングセラー『はじめての日本国債』の著者による、世界経済を読み解くための基礎知識が身につく最良の入門書。

タイトルは為替介入になっているが、それ以外の内容が多い。どのような判断基準で為替介入をしているのかなどもっと掘り下げてあるのかと期待したが、そうでもなかった。

男おひとりさま道

女のおひとりさまと男のおひとりさまとでは、生きていくための暮らしの知恵がちょっと違う。本書では、多くの男性“おひとりさま”を取材し、楽しく幸せに男ひとりで老後を生きていくすべを、豊富な事例をまじえて指南。人生の下り坂を降りるスキル、よい介護を受けるためのハウツー、ひとり暮らしの仕方や、人間関係のコツ、そして、幸福な在宅ひとり死まで…。かゆいところに手が届くような作りで、男ひとりの老後暮らしに、必携の一冊。

20年前の本だが、ステレオタイプなものの見方で辟易した。

『細雪』とその時代

戦争に向かう時代にあの美しい世界がなぜ生まれたのか。
芦屋、神戸、船場……蒔岡四姉妹が生きた風景が練達の筆に甦る

細雪の舞台を地図に落としているのがとても参考になった。川本三郎の随筆は読みやすい。

お墓はどうなる: 市場が変えた弔いのかたち (岩波新書)

お墓のあり方は変わり続けてきた.家族で同じお墓に入るのは,もはや常識ではない.墓じまいや無縁墓が増加するいま,お墓をどうする? 行政や民間企業がかかわる弔い市場で生まれた散骨・樹木葬・自動搬送式納骨堂・手元供養などのニーズと実態を分析.葬送をめぐる格差やペット葬も取り上げ,これからのお墓を考える.

カロート式の墓は、関東大震災以降に広まったものらしい。戦後は、石材屋などの民間企業が寺院と組んで墓地を開発するのが一般化し、生前に買っておくのが一般になった。山林がそのままでは価値を生まなくなったので墓地にするインセンティブも生まれたが、バブル崩壊後に、樹木葬や永大供養が広がっていく。都心部の駅前の立地がいい寺院で自動搬送型納骨堂が広がったが、その後、東京都が固定資産税を課税してからはその勢いも衰えたのだとか。また、無縁仏の遺骨を散骨で処分する遺骨廃棄ビジネスもあるのだそう。

惜櫟荘主人 一つの岩波茂雄伝 (岩波文庫 緑238-1)

一本の櫟を切ることを惜しんだ岩波書店の創業者・岩波茂雄。傍らで働いた小林勇(1903-81)が、出版に情熱をたぎらせるその姿を瑞々しい筆致で描き出す。日本の出版文化史にとっても重要な記録。(解説=大塚信一)

著者の小林勇が岩波書店に入店してから、岩波茂雄が亡くなるまでのことが生き生きと書かれている。日中戦争には反対している岩波茂雄が、太平洋戦争が始まった後は西洋相手の戦争ということで積極的になり、戦闘機の献納もしていたことが意外。終戦の年には貴族院議員にもなっているのも意外だった。家庭人としては、家族に負担や苦労をかけっぱなしだったのだろう。

「月給百円」サラリーマン: 戦前日本の「平和」な生活 (講談社現代新書 1858)

昭和ヒトケタの日常、向田邦子の少女時代はどんな暮らしだったか?
おじさんたちはいまと同様、銀座や新橋で酔っぱらっては「いまの若者はだめだ」と説教していた。講義をさぼって試験前にノートの“写本”を手に入れて乗り切る大学生は70年前から存在し、名門中学のお受験は過熱していた。テレビは実験段階まできており、戦争がなければ家電時代の到来はもっと早かったといわれている。いまと意味合いは違うが、「援助交際」も「サラ金」も存在した。圧倒的多くの人々はいまと同様生活に追われており、「愛国」より「月給」、「思想」より「就職」だった。――<本文より>

戦前のサラリーマンも、今とその行動はあまり変わらない。驚いたのは戦前は所得税の免税点がかなり高かったこと。当時は社会保険もないから、月給がそのまま手取りになっている。その分、何かあったときに自分で対応しないといけなかったのだろう。細雪の世界を思い起こしながら読んだ。

新幹線全史 「政治」と「地形」で解き明かす (NHK出版新書)

もうひとつの日本近現代史――。
幻に終わった明治・戦前の計画、「政治駅」の真実、そして不可解な路線の謎……。誕生から拡大期を経て、現代もつづく新幹線の歴史を、「政治」と「地形」に着目して路線ごとに書き尽くした決定版。

東海道新幹線の経路を、戦前の弾丸列車計画の想定ルートと比較しながら説明しているのが興味深い。同じように東北、上越、その他の新幹線についても主に経路について説明しているが、だんだんと鉄道マニアの愚痴のようになっていくのが残念。