桜の森の満開の下・白痴 他十二篇

桜の森の満開の下は怖ろしい。妖しいばかりに美しい残酷な女は掻き消えて花びらとなり、冷たい虚空がはりつめているばかり―。女性とは何者か。肉体と魂。男と女。安吾にとってそれを問い続けることは自分を凝視することに他ならなかった。淫蕩、可憐、遊び、退屈、…。すべてはただ「悲しみ」へと収斂していく。

2008年に岩波文庫坂口安吾の3冊を出した。その時に読んだはずだがもう一度読んだところほとんど忘れていた。
空襲の下での男女を描いた白痴がよかった。