失われた時を求めて(5)――ゲルマントのほうI

パリのゲルマント館の一翼に引っ越した一家。家主の公爵夫人は神秘に包まれた貴婦人。その威光にオペラ座で触れた「私」は、コンブレー以来の夢想をふくらませ、夫人の甥のサン=ルーを兵営に訪ねて軍人の世界を垣間見たり、友人と愛人の諍いに巻き込まれながら、しだいに「ゲルマントのほう」へ引き寄せられる。

この巻は「私」が兵営を訪ねたり、そこからパリにもどって祖母の衰えぶりに驚いたり、サン=ルーの愛人と3人で過ごしたりしたり、読みやすい。