失われた時を求めて(3)――花咲く乙女たちのかげにI

少年の目に映るパリの社交風俗を描く、第二編第一部「スワン夫人をめぐって」。オデットとの結婚によって上流階級との交際を断ったスワン。夫妻の娘ジルベルトへの想いを募らせ、スワン家のサロンの信奉者となる私。ある日、夫人のお供をした昼食会で憧れの作家ベルゴットと同席する栄に浴するも、初恋は翳りを帯び……。

ジルベルトへの思いをこじらせて、その両親からのお呼ばれには通うものの娘には会おうとせず、そのうちに破局を迎え娼館で大金を使い果たすなど、「私」は何をやってるのかと思ってしまう。