失われた時を求めて(7)――ゲルマントのほうIII

冬に向かうパリ、「私」をめぐる景色は移ろう。――人妻との逢い引きの期待は破れるも、かつて夢見た「花咲く乙女」とはベッドで寄り添い、憧れのゲルマント公爵夫人からは晩餐の招待が舞いこむ。上流社交界で目にした気品と才気の実態、シャルリュス男爵の謎、予告されるスワンの死……。人間と社会の機微を鋭く描く第7巻。

ゲルマント公爵夫人の晩餐会がとてもながく描かれる。その後、再度ゲルマント家を訪問するくだりはとても読みやすい。スワンがもはやドレフュス派かどうかで人間の価値を決めるようになっている。