失われた時を求めて(1)――スワン家のほうへI

ひとかけらのマドレーヌを口にしたとたん襲われる戦慄.「この歓びは,どこからやって来たのだろう?」 日本の水中花のように芯ひらく想い出――サンザシの香り,鐘の音,コンブレーでの幼い日々.プルースト研究で仏アカデミー学術大賞受賞の第一人者が精確清新な訳文でいざなう,重層する世界の深み.当時の図版を多数収録.

9年前に一度読みかけて7巻あたりで挫折した。改めて読み返そうと思い、1巻を読むのに1週間かかった。「私」が子供のころとはいえ、夕方頃からお母さんが夜来てくれないと考えてメソメソするあたりまったく感情移入できない。