失われた時を求めて(6)――ゲルマントのほうII

祖母の旧友ヴィルパルジ夫人のサロンで、「私」は憧れのゲルマント公爵夫人とついに同席。芸術、ゴシップ、ドレフュス事件など、社交界の会話の優雅な空疎さを知る。家では祖母の体調が悪化。哀しみを押し隠す母、有能で非人間的な医師、献身的で残酷な女中の狭間で、死が祖母を「うら若い乙女のすがたで」横たえるまでを「私」はつぶさに目撃する。

サロンでの会話が何ともいえず空虚な感じ。「私」は相変わらずゲルマント侯爵夫人に会いたくて仕方がないが、いざ同席するとそっけない態度をとる。祖母が亡くなるくだりでは、周辺の人物が様々な行動をとっていろいろ考えさせられる。