駅の社会史 (中公文庫) 原田 勝正 中央公論新社 2015-11-21 売り上げランキング : 308715 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
夏目漱石『三四郎』冒頭の名古屋駅、「勝負に打って出る玄関の駅」と言った升田幸三の大阪駅、出征・帰還の軍用列車が発着した品川駅…。明治初年の岩倉使節団で久米邦武が見出したように、「駅」は近代文明の本質を表わす場となった。大衆化・大量化する鉄道とともに変貌していく駅の姿を辿り、鉄道史から近代をとらえ直す。
昔の中公新書を文庫化したもの。様々なことが書き連ねてあり若干読みづらい。駅は、移動の手段であるとともに公共空間でもあり、それを意識した整備が必要と主張している。日本では従前から「広場」という概念が薄く、広場での民衆行動を圧迫していたのは行基の時代から新宿西口闘争まで通じているとか。