ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争 (講談社文庫)

「情報を制する国が勝つ」とはどういうことか―。世界中に衝撃を与え、セルビア非難に向かわせた「民族浄化」報道は、実はアメリカの凄腕PRマンの情報操作によるものだった。国際世論をつくり、誘導する情報戦の実態を圧倒的迫力で描き、講談社ノンフィクション賞新潮ドキュメント賞をW受賞した傑作。

ボスニア・ヘルチェゴビナにはアメリカのPR会社が付き、セルビア側にはつかなかったことで、ほとんどのアメリカ国民にとって対岸の火事だったボスニア紛争が善悪の構図がはっきりしてしまう。民族浄化という言葉も意図的に選択的に使われたのだとか。これを読むと、ウクライナをめぐる世論も、実は情報操作がされているのではないかと思ってしまって怖い。