皇族 天皇家の近現代史 (中公新書)

古代より「天皇の血族」として存在した皇族。明治維新後、最も近親で天皇を支える階級として、軍人の義務と多くの特典を獲得し成立した。だが、自らの権威・特権を背景に、長老の皇族軍人や直宮は、天皇を脅かす存在でもあった。本書は、古代から現代の皇族を概観し、近代以降存在した十五宮家、皇族軍人たちの動向、新たな位置づけを求めた戦後の「皇室」を中心に、皇族の全貌を明らかにする。巻末に詳細な「近代皇族一覧」付。

戦時中の陸海軍の皇族総長はお飾りというイメージがあったが、思いのほか活動していたようだ。戦後、皇籍離脱した旧宮家のその後も丁寧に書かれている。