評伝 北一輝 - V 北一輝伝説

評伝 北一輝 - V 北一輝伝説 (中公文庫)評伝 北一輝 - V 北一輝伝説 (中公文庫)
松本 健一

中央公論新社 2014-12-20
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憂国青年将校が蹶起し、天皇重臣を襲った二・二六事件。北は直接の関わりを持たなかったが、自分を慕っていた軍人たちが刑死したのを知り、静かに死を受け入れた。ただその後、数々の生存説が生まれ、戦後憲法への思想の反映が語られるなど、この革命思想家は、死して伝説となった。北一輝の全体像を描いた決定版評伝の完結篇。全巻の人名索引付。

最終巻は、二・二六事件が起きてからの北一輝の動きと、死後の評価についてまとめられている。事件そのものについてはそこまで触れられていないが、逮捕されてからは自らを弁護することなく軍事裁判で裁かれた。

死後の評価は、三島由紀夫による北一輝の評価について特に詳しく書かれている。彼が、日本改造法案は7割方戦後に実現したと表現したことが、北一輝が戦後民主改革を先取りしたと思われている所以だとか。