誰も語れなかった沖縄の真実 ――新・沖縄ノート

誰も語れなかった沖縄の真実 ――新・沖縄ノート誰も語れなかった沖縄の真実 ――新・沖縄ノート
惠 輶之介

ワック 2011-12-21
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“日本で最も悲劇の島”沖縄の本当の姿とは。

最近沖縄本を読むことが多くその一環で図書館で借りた。沖縄出身の元自衛官が書いているのだが、内容は薄っぺらく、流し読みして面白がるにはいいかもしれないが、買うに値しない。

冒頭から、日本国内の駅名表記や観光案内は中国語や韓国語が多く、文化的に中韓の侵入を許しているなどととばしているかと思えば、戦後の沖縄史も都合のいいところをつまみ食い。1995年の少女暴行事件もたった3行で片付け、米兵の暴行事件は大きく取り上げられるが県民が起こした暴行事件は取り上げられないなどと嘆く。名護市長が辺野古受け入れを受け入れたではないかと書くが、その直後に辞任したことには触れない。また、古代琉球王国はひたすら悪の時代として位置づけ、琉球処分琉球王国の圧政からの解放だったとか、さらには沖縄戦についても本土との紐帯を強化する意味があったなどと再評価しはじめる。

著者は、対立するものをすべて「左翼」として位置づけ、コザ暴動も共産主義者陰謀論が強いと紹介するなど、ひたすら自分の視点からしかものを書いていない。