臨海副都心物語―「お台場」をめぐる政治経済力学 (中公新書)

東京・品川のお台場沖にテレポートを。東京都の構想はいつしか世界最大級の都市開発「臨海副都心」へと発展した。独自のプロジェクトを目指す鈴木知事と中曽根民活の目玉にと画策する金丸副総理の確執。バブル経済崩壊のダメージと青島知事の都市博中止決定による計画の変更。しかし今や「レインボータウン」は首都圏最大の集客空間に成長した。政治経済の力学に翻弄された誕生までの軌跡を計画の立案者がえがく。

臨海が開発される前を知らないので興味深く読んだ。政治に利用されていく様子や、青島知事の都市博中止など、深く関与していた著者だからこそ書けるであろうことが多くある。新宿の都庁のみならず、臨海副都心の開発にも手を出してきたとして、丹下健三をぼろくそに言っていてこれも面白い。