視覚化する味覚: 食を彩る資本主義

現代の色彩豊かな視覚環境の下ではほとんど意識されないが、私たちが認識する「自然な(あるべき)」色の多くは、経済・政治・社会の複雑な絡み合いの中で歴史的に構築されたものである。食べ物の色に焦点を当て、資本主義の発展とともに色の持つ意味や価値がどのように変化してきたのかを、感覚史研究の実践によりひもとく。

バナナが黄色、オレンジはオレンジ色という固定観念は、実はここ百年ちょっとの間に刷り込まれたものだという。合成着色料の歴史も勉強になる。