神々の乱心

宮中に何事か画策する謎の新興宗教昭和8年。東京近郊。梅広町の「月辰会研究所」から出てきたところを尋問された若い女官が自殺した。自責の念と不審から「月辰会研究所」をマークする特高課第一係長・吉屋謙介。やがて渡良瀬遊水池から、2つの死体が…。巨匠松本清張が渾身の力を揮った絶筆1700枚。

未完の大作。原武史の解説本を以前読んだが本体は初めて。スケールが大きくて面白い。もっとも、たまたま聞いた鏡の話から次々と類推を重ねて広島の旅館にたどり着くなど、ご都合主義な展開に思える部分も多い。どういう結論に持っていくつもりだったのか気になる。