誕生日パーティー

本の雑誌のミステリー第一位にされていた。ポルポト政権下のカンボジアからオーストリアに逃れたキムの50歳の誕生日に、同じくオーストリアに難民としてきた女性が招かれ、そこからさまざまな隠された事情が明らかになっていく。当時のカンボジアの様子と、現在のオーストリアの情景が交互に描かれて、カンボジアの様子は凄惨で読むのがつらくなる。最後は思いもよらない展開になっていて驚いた。久しぶりに小説らしい小説を読んだ気がする。