国鉄最後のダイヤ改正 JRスタートへのドキュメント

本の雑誌5月号で紹介されていて面白そうだったので図書館で借りた。著者は国鉄の列車課長でダイヤ改正に携わった。昭和62年4月の民営化以前の61年11月にダイヤ改正がされ、そのダイヤが新会社に引き継がれたので、ダイヤ上は5ヶ月早く民営化後の姿になっていたことになる。民営化が利便性低下にならないよう、新幹線の速度増加や地方都市圏の普通列車の増発、貨物列車との調整など、どれも興味深く読ませる。国鉄民営化というと、いわゆる国鉄改革三人組に焦点を当てたものが多いが、著者のような技術屋が輸送面を緻密に組み立てたから円滑に進んだのだと改めて感じさせられた。