遺骨――戦没者三一〇万人の戦後史

遺骨――戦没者三一〇万人の戦後史 (岩波新書)遺骨――戦没者三一〇万人の戦後史 (岩波新書)
栗原 俊雄

岩波書店 2015-05-21
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沖縄で、硫黄島で、南洋諸島で、シベリアで、いまも親族の遺骨を探し続ける人々がいる。空襲や原爆では、身元不明のまま、多くの市民が「仮埋葬」されたが、その後はどうなったのか。戦争の結果、「遺骨」となった310万人の「未完の戦後」を探るルポ。戦争とは? 国家とは? 「遺骨」から日本の戦後が見える。

著者は毎日新聞の記者。記者らしく、現場での取材から得た事実を冷静に記述している。硫黄島にはこれまで3度わたり、遺骨収集も実際に行っている。

アメリカは外地での戦闘でなくなった遺骨も全て回収するのに対し、イギリスは現地に葬るんだとか。日本はアメリカと同じく回収型だが、戦後に遺骨収集の空白期間があったため、多くの遺骨がまだまだ戻ってきていない。

今後も遺骨収集は続けられていくのだろうがいつか終わりがくるのだろう。戦後80年なのか、90年なのか、100年の区切りなのか分からないが。