 | 朝鮮人強制連行 (岩波新書) 外村 大 岩波書店 2012-03-23 売り上げランキング : 171901 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
アジア・太平洋戦争時、1939年（昭和14）9月から1945年8月にかけて行われた戦時労務動員について、その計画の策定過程、無謀な動員の実態、動員の中で日常化した暴力、そして動員体制の崩壊までを基本史料をもとに描きだす。「朝鮮人強制連行」といわれるものが、どのようなものであったかを明らかにする一冊。
史料にもとづいた分析が主で、良書です。
当時、労働環境が他と比較すれば劣悪であった炭坑などで従事させるために、「募集」「官斡旋」「徴用」されて朝鮮人がそれらの現場に送り込まれたことにより、労働環境の改善による生産性の向上という解決方法が放棄され、結果として、それら送り込まれた朝鮮人にとってだけでなく、もともと働いていた日本人にとっても労働環境改善が停滞する流れが引き起こされたとの指摘。
