残留日本兵 - アジアに生きた一万人の戦後

残留日本兵 - アジアに生きた一万人の戦後 (中公新書)残留日本兵 - アジアに生きた一万人の戦後 (中公新書)
林 英一

中央公論新社 2012-07-24
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「恥ずかしながら帰って参りました」―。残留日本兵といえばすぐに思い浮かぶのが、横井庄一小野田寛郎、そして、“水島上等兵”。彼らの苦難の歳月は、自伝をはじめ多くの書籍や映像で描かれてきた。だがいずれも悲劇の英雄として語られ、時々で話題を集めたにすぎない。本書は、アジア各地で綴られた全記録を辿り直すことで、「大日本帝国崩壊後」の残留日本兵たちの真の姿を明らかにする、初の試みである。

小野田少尉などのステレオタイプ的な残留日本兵はあくまでも氷山の一角、しかも地元との関係性を絶っている意味で特異な事例であることを最初に述べ、その後、各国別の事例を紹介している。インドネシアベトナム蟻の兵隊は有名だが、ノモンハンの捕虜が戦後も残った事例があったとか。

著者が同い年で驚愕。