三国志演義 3 (角川ソフィア文庫)

劉備益州(蜀)を獲得し、ついに天下三分となる。さらに曹操にも勝利して漢中王の座につき快進撃を続けるが、密約を結んだ曹操孫権関羽を討たれ、張飛までも暗殺で失い悲嘆に暮れる。魏では曹操が病没すると跡を継ぐ曹丕献帝から皇帝の位を奪い、後漢が滅亡。対抗した劉備蜀漢の皇帝を名乗り、義兄弟の仇討ちに赴くが返り討ちにされ失意のうちに逝く。英傑たちの思いを受け継いだ次世代による戦いの幕が開ける!

関羽張飛が相次いで亡くなるのは知っていてもやはり悲しい。そして孔明の南蛮征伐は小さいころ繰り返し読んだのを思い出した。

三国志演義 2 (角川ソフィア文庫)

官渡の戦いに勝利し、勢力を一気に拡大する曹操。一方、劉備は稀代の賢者・諸葛亮孔明を、三顧の礼をもって新たな軍師として迎え入れた。一進一退を繰り返す二者の攻防の中、江東の孫権黄祖を破り、虎視眈々と権力拡大をもくろむ。三つ巴の戦乱の行方を握るのは策士・孔明の見事な妙計――ホウ統の連環の計を経て、80万の曹操軍を火攻めにすべく七星壇を築いた孔明。奇跡の東風を起こせるか。赤壁の戦いの結末がここに!

三顧の礼、天下三分の計、周瑜諸葛亮の関係、赤壁の戦い関羽曹操を見逃すところなど、昔確かにどこかで読んだ内容で覚えている。小さい頃に読んだものは忘れないのか。

三国志演義 1 (角川ソフィア文庫)

劉備関羽張飛の三豪傑が乱世を正すべく義兄弟の契りを結び立ち上がる--。NHK人形劇で人気を博した 立間祥介訳で蘇る壮大なロマン! 2019年夏、東京国立博物館で大規模な三国志展も開催。

何十年ぶりかに三国志演義を読んだ。子供のころは岩波少年文庫版、その後岩波文庫版を読んだが、この立間訳もぐいぐい読ませる。

都市横浜の半世紀-震災復興から高度成長まで

貿易都市として発展した横浜は、震災後は重化学工業都市、戦後は住宅都市の性格が加わり、首都に次ぐ巨大都市となった。本書は、震災からの復興以降、「大横浜」実現をめざして進められた都市づくりを軸に、高度成長期までの横浜の現代史を概観する。

関東大震災から戦後の高度成長期までの横浜の歴史を追っている。貿易都市から工業都市、占領を経て住宅都市になる様子が書かれている。戦前の官選神奈川県知事が、戦後に横浜市長をやっていたことに驚いた。

日本の歴史をよみなおす

日本が農業中心社会だったというイメージはなぜ作られたのか。商工業者や芸能民はどうして賤視されるようになっていったのか。現代社会の祖型を形づくった、文明史的大転換期・中世。そこに新しい光をあて農村を中心とした均質な日本社会像に疑義を呈してきた著者が、貨幣経済、階級と差別、権力と信仰、女性の地位、多様な民族社会にたいする文字・資料の有りようなど、日本中世の真実とその多彩な横顔をいきいきと平明に語る。

百姓というと反射的に農民を想起するが、それが実は思い込みだということをこれでもかというくらい語っている。

伊豆の踊子

旧制高校生である主人公が孤独に悩み、伊豆へのひとり旅に出かける。途中、旅芸人の一団と出会い、そのなかの踊子に、心をひかれてゆく。清純無垢な踊子への想いをつのらせ、孤児意識の強い主人公の心がほぐれるさまは、清冽さが漂う美しい青春の一瞬……。ほかに『禽獣』など3編を収録。巻末の三島由紀夫による「解説」は、川端文学の主題と本質についてするどく論じている。

伊豆の踊子は、昔読んだはずだがあらすじを忘れていた。3月に伊豆にいったのでそれを機に再読。

中国の行動原理 国内潮流が決める国際関係

世界各国と軋轢を起こす中国。その特異な言動は、中華思想、米国に代わる世界覇権への野心などでは説明できない。なぜ21世紀に入り、中国は海洋問題で強硬姿勢に出たのか、経済構想「一帯一路」を始めたのか――。本書は、毛沢東・鄧小平から習近平までの指導者の動向、民族特有の家族観、社会の秩序意識、政経分離のキメラ体制など国内の潮流から、中国共産党を中心とした対外行動のルールを明らかにする。

共産党が率いる市場経済国家という体制をキメラ体制と評している。中国は、ボスと部下が1対1で結びついているのに対し、日本は緩やかにつながっているという比較が興味深かった。