死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

腹に水がたまって妊婦のように膨らみ、やがて動けなくなって死に至る――
古来より日本各地で発生した「謎の病」。原因も治療法も分からず、発症したらなす術もない。その地に嫁ぐときは「棺桶を背負って行け」といわれるほどだった。
この病に立ち向かうため、何人もの医師や住民たちが奮闘を始める。そして未知の寄生虫が原因ではないかと疑われ始め……。のちに「日本住血吸虫症」と呼ばれる病気との百年以上にわたる闘いを記録した歴史的名著。(解説・飯島渉)

山梨、広島、福岡佐賀の一部にだけあった日本住血吸虫症について丹念に記したルポ。原因の寄生虫の特定、媒介する貝の特定、そして貝の駆除のための気の遠くなるような作業など、半世紀前まで行われていたことに驚いた。戦後まもなく、日本の医師が中国に招かれて日本の対策を伝える様子も書かれている。