「米留組」と沖縄 米軍統治下のアメリカ留学 (集英社新書)

1945年から27年間、米軍統治下にあった沖縄で、米国陸軍による留学制度によってアメリカ留学=「米留」した1000人余りの若者たち、「米留組」がいた。
沖縄戦を生き延びた彼ら、彼女らはどのような思いで留学を志し、戦後沖縄の社会形成においてどのような役割を担ったのか――。「米留二世」でもある著者が丹念に聞き取った、留学経験者たちの語り。
「本土復帰」50年を経て、初めて明らかになる当時の米国の思惑や「米留組」の葛藤。貴重な証言と一次史料をたどることで、沖縄の今とこれからを考える。

自国へ現地の学生を留学させるのは、植民地へ宗主国がよくやることだが、それに近い思惑がアメリカ側にあったこと、留学した学生たちは、それを前提にしながらもその枠にとらわれずに留学後活躍したことがわかる。最後に著者の父も実は米留組であることが明かされて驚いた。