地上生活者 第5部、第6部

第5部は、主人公がサハリンを訪問したり、西ドイツで在独韓国人女性と出会う様子が書かれている。第6部は、2014年に主人公一家が富岡製糸場を訪れるところから始まりおやっと思わされたが、基本的には80年代の記述が中心。途中、金正日小泉純一郎に拉致を認めたという記述があり、そこは2002年以降だということがわかるが、時制が入り混じっていてよく整理しながら読まないと分からない。主人公が中高年になるにつれて、行動が情けなくなってきてしまうのが悲しい。これは加賀乙彦の雲の都も同じだった。