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昭和十五年、ドイツは電撃戦により、フランスを征服。帝国陸軍はすかさず北部仏印に進駐した。敷島次郎は独立を志すインド女性の戦闘訓練を請け負い、四郎は満映作品の取材中に人工国家の綻びを目撃する。太郎は心ならずもある謀殺に加担し、三郎は憲兵としてマレー進攻作戦に同行することに。太平洋戦争開戦、南進の成功に沸きたつ日本人と次第に増幅してゆく狂気を描く、第七巻。
第六巻を読んでからしばらく間が開いた。いよいよ日米開戦が始まるが、真珠湾攻撃を描かずにコタバル上陸が描かれている。どうしようもなく戦争に突入していく雰囲気がよくでていると思う。
その上で、プリンス・オブ・ウェールズとレパルスが、シンガポールを母基地にしていると登場人物が話しているが、この２艦が東洋に回されてきたのは本当に開戦直前だったはず。また、中野学校出身者という設定の登場人物が、やたらと自分が中野学校出身だと吹聴したりして違和感を感じる。
