司法官僚―裁判所の権力者たち

司法官僚―裁判所の権力者たち (岩波新書)司法官僚―裁判所の権力者たち (岩波新書)
新藤 宗幸

岩波書店 2009-08-20
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全国の裁判官の人事や予算などの司法行政を担う最高裁判所事務総局。その幹部を構成する「司法官僚」とは、裁判官の衣をまとった行政官である。彼らはどんな経歴の持ち主なのか。判事たちをどのように「統制」しているのか。司法の消極性をもたらしているその実態を検証し、市民のための裁判所のあり方を提言する。

法服の王国でいわゆる司法官僚に感心がわいたので読んだ。6年前にも一度読んでいるはずなのだが全く覚えていなかった・・・。

司法修習を終えて判事補として任官する時からすでに選別が始まっており、最高裁事務総局の局付きになるところから司法官僚は養成されていくんだとか。行政官庁であれば、職種である程度その後のキャリアパスが分かるが、判事補は横並びだから外から見ると分かりづらい。もっとも、行政官庁であっても例えば財務省なら最初に文書課勤務だとか、なんとなく人事系統が分かるので、司法独自という訳でもないようにも思う。

戦前の司法省時代から、陸上組(司法省)と海上組(現場組)に別れていたそうだが、それが戦後も綿々と続いているということだろう。司法改革が十数年前に行われたが、本質的にはあまり変わっていないという指摘。