ローマ人の物語 (3) ― 勝者の混迷

ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上) (新潮文庫)ローマ人の物語 (6) ― 勝者の混迷(上) (新潮文庫)
塩野 七生

新潮社 2002-09-01
売り上げランキング : 154678

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ハンニバルを倒し、帝国カルタゴを滅亡させ、一気に地中海の覇者となったローマ人。しかし大国への道のりの速さゆえに、ローマは内部から病み始める。権力が集中しすぎた元老院に対して改革を迫る若き護民官グラックスは同国人に殺され、続く改革者たちも、内なる敵に向き合わねばならない―ローマ人はいかにしてこの“混迷の世紀”を脱脚するか。

ハンニバル戦争以降、カエサル登場までの間を描いている。この間は、グラックス兄弟が暴徒に殺されたり、権力闘争で大規模な殺戮が起きていたりと、だんだんと内ゲバが激化していく時期。領土が拡大し、時代が進むにつれて、それまでの統治体制が制度疲労をおこしていたという指摘がされている。スッラがその独裁ぶりを発揮するが、著者は割と好意的に書いているように思える。