群狼の舞: 満州国演義三

群狼の舞: 満州国演義三 (新潮文庫)群狼の舞: 満州国演義三 (新潮文庫)
船戸 与一

新潮社 2015-09-27
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昭和七年三月、満州国建国。面接約百三十万km2、人口約三千四百万、新京を国都とし、最後の皇帝溥儀を執政に迎えた。国の建設に胸を躍らせる太郎。金銭で請け負った荒仕事をこなす次郎。「憲兵隊の誇り」と称えられ、妻をも得た三郎。さらなる罪を犯し、大陸を流浪する四郎。日本人は新天地にどのような夢を託したのか。産声を上げたばかりの国家の実相、そして熱河侵攻を描く、第三巻。

第三巻では満州国建国がスタート地点。主人公兄弟の長男は、関東軍に最初は違和感を感じていたものの、徐々に満州国統治機構づくりにのめり込んでいく。

特高の刑事が四男に殺される直前に「会津若松で・・・」と言うのだが、会津若松市に改称するのは戦後で、当時は若松市だったはず。話し言葉として使われていたのだろうか。そういう細かいところが気になった。