中国革命の夢が潰えたとき―毛沢東に裏切られた人々

中国革命の夢が潰えたとき―毛沢東に裏切られた人々 (中公新書)中国革命の夢が潰えたとき―毛沢東に裏切られた人々 (中公新書)
諸星 清佳

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1949年10月1日、秋晴れの天安門広場には新国旗が打ち振られ、民衆の歓声と拍手で沸き立った。中華人民共和国、中央人民政府が誕生したのである。この新しい国家は自由主義諸国並みのブルジョワ憲法を掲げた、共産党と民主諸勢力の連合政権であった。しかし、多元的政治権力並存の期待は次々と裏切られていく。中国社会主義は出発時点ですでに社会主義そのものを変質させる体質を内包し、文化大革命の悲劇へ突き進んだのである。

中国共産党のほかに存在していた(今も存在しているが)民主勢力が、いざ共産党が政権を取ったら次々と粛正されていく様子はおそろしい。やはり、社会主義国家の人権弾圧の度合というのは、指導者の個人的素質に影響を受けるのだろうか。