革命とナショナリズム――1925-1945〈シリーズ 中国近現代史 3〉

革命とナショナリズム――1925-1945〈シリーズ 中国近現代史 3〉革命とナショナリズム――1925-1945〈シリーズ 中国近現代史 3〉
石川 禎浩

岩波書店 2010-10-21
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協力と対立を繰り返しながら、日本の侵略に立ち向かい、中国を大きく変えていった国民党と共産党。このふたつの政党を主人公として、ソ連との関係や運動の実際などにも目を配りながら、革命とナショナリズムに彩られたイデオロギーの時代を描き出す。孫文の死から抗日戦争の終結までの激動の20年。

岩波新書のシリーズ。最近、日本近現代史や日本古代史など、立て続けに岩波新書から通史ものが出ている。

国民党、共産党の双方を主人公に、終戦までの20年を通史的に書いている。ソ連との関わりに大きく紙面を割いているのが特徴的。特に、国民党とソ連との関わりはよく知らなかったのでおもしろかった。また、日中戦争の初期は、国民党軍の装備はドイツ式だったというのも興味深かった。第二次上海事変当時の国民党軍の写真が掲載されていたが、ヘルメットがドイツ国防軍そっくりだった。

国民党に比べると、共産党に関する記述は従来通りのものという印象が強い。