闇を喰む

闇を喰む〈1〉海の墓 (角川文庫)闇を喰む〈1〉海の墓 (角川文庫)
高 史明

角川書店 2004-11
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戦中、下関で在日2世として誕生した金天三。朝鮮人でもなく日本人でもない自分。敗戦を境に態度を覆す大人への嫌悪。底なしの貧困、差別、孤独―深い痛苦の闇に呑まれた少年は、暴力的な小悪党になり、少年刑務所への道を辿っていった。出所後、もう一度生きようと太腿に刺した牡丹の入れ墨を自ら火縄で焼き消し、上京する。しかし、それは新たな苦闘の始まりでもあった。戦中・戦後の激動期を傷だらけで生き抜く果敢な少年の感動ドラマ、前編。

全2巻。戦後共産党に入り、山村工作隊として活動するあたり大変興味深い。ナベツネが新人時代、奥多摩の山中まで登っていって山村工作隊のスクープをした相手は著者だったらしい。