横井小楠

横井小楠 (ちくま学芸文庫)横井小楠 (ちくま学芸文庫)
松浦 玲

筑摩書房 2010-10-08
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幕末最大の思想家横井小楠。ペリー来航という欧米近代の外圧に対して、たんなる開国や攘夷ではなく、仁政という儒学的理想によって内外の政治的状況を具体的に批判し、政策を立案し実行しようとした。「堯舜孔子の道を明らかにして、西洋器械の術を尽くさば、なんぞ富国に止まらん、なんぞ強兵に止まらん、大義を四海に布かんのみ」。その目的のための実学思想は武家政権を根底から否定し、坂本龍馬高杉晋作をはじめ、多くの人びとにはかりしれない影響を与え、明治日本の礎となる。幕末維新期の複雑な思想状況や込み入った人間関係のなかで、小楠の思想と生涯を見事に描き切った名著の決定版。

ほとんど知らなかったので、単純に勉強になった。肥後藩士でありながら越前藩に呼ばれ、松平春嶽のブレーンとして辣腕をふるったというのは、藩同士の関係を考えても面白いと思う。