ノルウェイの森

利府MOVIXで一人で見てきた。120人くらいはいりそうなホールに、観客は20人強くらいか。

以下、内容についても記載。なので一応隠します。

映画としては面白いと思うのだが、どうしても原作と比べてしまう。比べた場合、不十分な点ばかり目についてしまう。

一番気になったのは、レイコさんがただの好色魔のようにしか見えないこと。最後、ワタナベくんの家で2人で直子のお葬式をするくだりがあってこそ、その後ろへとつながっていくと思うんだけど、そこがカットされてるとさっぱりわけがわからん。正確には、ギターを抱えて泣くシーンがあったのでまったくカットされてるわけではないのだろうけど、あれではわからん。

それから、「魔の山」も出てこない。サナトリウム的な場所にサナトリウム小説を持って行くのが気に入っていたんだけど。

あと、これは原作と比べてではないけれど、冒頭でいきなりキズキの排ガス自殺を描いたり、直子の足ぶらぶら映像はさすがにひどいと思う。足ぶらぶらは、このタイミングで出てくるんだろうなと予感しながらも、思わず怖気を感じてしまった。

とはいえ、映像化されたことで自分で新しく気づいた点もあった。直子の二十歳の誕生日の時、ワタナベくんが「なんでキズキと寝なかった云々」と言ったことが、直子が崩壊するひとつのきっかけになったことは、僕は本を読んでいたときは気づかなかった。家に帰ってきて思わず確認してしまった。

最後に、配役では、ワタナベくんは大当たりだと思う。ミドリも想像より良かった(台詞が棒読みだったが、逆に新人類っぽくて良かった)。菊地凜子は、やや激しすぎたと思う。