サイゴンのいちばん長い日

サイゴンのいちばん長い日サイゴンのいちばん長い日
近藤 紘一

文藝春秋 1985-04
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「一国の首都の陥落前後という決定的な時期が日を追って克明に記されている。登場人物たちの生彩がそれにまたとない肉や果汁や香りをつけている」。開高健氏の評だ。

サイゴン陥落の前後を描いた作品。南ベトナムというと当時は暴政下に呻吟する人民という固定観念があったらしいが、それにとらわれず、南ベトナムの人たちの様子を書いている。サイゴン陥落の直前まで、人々の暮らしの様子が変わらないのが印象的。陥落後、一番最初に赤旗を掲げ、”解放新聞”を出して祝ったのは中華街だったらしい。