緑の家

緑の家(上) (岩波文庫)緑の家(上) (岩波文庫)
M.バルガス=リョサ 木村 榮一

岩波書店 2010-08-20
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緑の家(下) (岩波文庫)緑の家(下) (岩波文庫)
M.バルガス=リョサ 木村 榮一

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インディオを手下に従えて他部族の略奪を繰り返す日本人,アマゾン奥地の村の尼僧院で暮らすインディオの少女,砂の降りしきる町に流れ着き,娼館「緑の家」を建てる盲目のハープ弾き…….広大なペルー・アマゾンを舞台に,さまざまな人間たちの姿と現実を浮かび上がらせる,物語の壮大な交響楽.現代ラテンアメリカ文学の傑作.

2010年ノーベル文学賞作家の作品。受賞前の8月に出版していた岩波はすごいと思う。

ペルーの海岸部の都市、密林の中の町、密林を舞台にし、解説によれば40年以上の時系列を含んだ小説。5つの話の筋がそれぞれ語られるのだが、それぞれの話の筋をまず細切れにし、さらに時系列をシャッフルしているので、少し前に死んだはずの人がふつうにしゃべっていたりする。さらに、まったく区切りがないまま回想シーンが挿入されるので、注意して読んでいかないと今だれが何をしゃべっているのかわからなくなってくる。さらに、夫婦関係がどんどん変わっていくのが混乱に拍車をかける。主要な女性2人の夫が、それぞれ2人、3人いる。

混乱したままでどのように終わるのかなと思いながら読んでいたら、下巻の最後になるとあれよあれよという間に話がまとまってしまった。いかにも「小説」を読んでいるという感覚。

楽園への道も以前買っているので読みたい。