外務省革新派

外務省革新派外務省革新派
戸部 良一

中央公論新社 2010-06-25
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一九三八年七月、時の外相宇垣一成の私邸を八人の青年外交官が訪れ、所信を披瀝するとともに、彼らがリーダーと仰ぐ白鳥敏夫の外務次官起用を強く訴えた― ときに軍部以上の強硬論を吐き、軍部と密着して外交刷新を実現しようと行動した外務省革新派。彼らが主張した「皇道外交」は、満洲事変後の「世界史的大変動」の中で大衆に受け入れられ、世論を先導していく。戦争へ向かう時代を新たな角度で切り取る意欲作。

戦前の歴史の中で、外務省の一部である革新派に焦点をあてているのは面白い。戦前の革新官僚に興味があったので読んだが、企画院あたりのいわゆる革新官僚とはまた違うようでした。革新官僚が書いた文書は、役人が書いた文章とは思えないほどアジビラ的だった。