私戦

私戦私戦
本田 靖春

潮出版社 1978-03
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金嬉老事件を書いた本。生い立ちから逮捕まで切れ間なく書いていて事件のことがよく分かる。

警察による朝鮮人差別、さらには日本社会全体の差別構造を訴えたのに、単なるライフル魔として警察もマスコミも扱い、金の訴えを黙殺したという思いが著者にはあるようだ。戦前の京城で生まれ、支配民と敗北国民を同時に味わった著者の背景が、そういう思いを強くしたのだろうと思う。よって、かなり金を同情的に書いている。

金嬉老は今年3月に釜山で亡くなったそうです。