お菊さん

お菊さんお菊さん
ピエル・ロチ

岩波書店 1988-05
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作者が海軍士官として初めて日本に来て、長崎の郊外で可憐な少女オキクサンと退屈な一夏を過した時の日記体の小説。気の毒なムスメお菊さんが青ざめた人形のように取扱われているこの小説は、本質において日本文化の批判であり、結果において外国人が日本的なるものを理解することがいかに困難であるかの告白である。

1885年に長崎へ来航した著者が、一夏の間の現地妻として共に暮らしたお菊さんについて書いた本。大津でおそわれた皇太子ニコライも、長崎への上陸前に読みふけったとか。

日本に対して感じている違和感、蔑視感が赤裸々に書かれている。