沈まぬ太陽

ちょっと前だけど、読みました。実は高校生の時に一回読みかけたんだけど、御巣鷹山編の途中でめんどくさくてやめた。今回はきちんと最後まで読みました。

やっぱり山崎豊子の作品は面白いと思う。何がそうさせるのか分からないが、読者を次へ次へと誘う何かが文章から出てる。ただ、あまりに書き方が偏っている間は否めないかもしれない。国民航空=悪、恩地を含む旧労=善があまりにはっきりしすぎていて、その部分は逆にしらけてしまうかもしれない。日本航空に対する不信感を煽っていると見られても仕方ないだろう。これは、恩地モデルの小倉寛太郎や日航労組側の取材が多かったためであり、逆に言うと日航側が取材を拒んだためでもある。でも、それを差し引いてもやっぱり面白い。

この作品は言うまでもなくモデル小説だが、昔は分からなかった事が今読むと透けて見えて楽しめた。Googleで「沈まぬ太陽 モデル」と検索すれば、いろいろな情報が出てくる。特に、会長室編では様々な政治家が出てくるが、この人物はこの人物を模しているのかというのが分かると、より楽しめる。