国鉄最後のダイヤ改正 JRスタートへのドキュメント

本の雑誌5月号で紹介されていて面白そうだったので図書館で借りた。著者は国鉄の列車課長でダイヤ改正に携わった。昭和62年4月の民営化以前の61年11月にダイヤ改正がされ、そのダイヤが新会社に引き継がれたので、ダイヤ上は5ヶ月早く民営化後の姿になっていたことになる。民営化が利便性低下にならないよう、新幹線の速度増加や地方都市圏の普通列車の増発、貨物列車との調整など、どれも興味深く読ませる。国鉄民営化というと、いわゆる国鉄改革三人組に焦点を当てたものが多いが、著者のような技術屋が輸送面を緻密に組み立てたから円滑に進んだのだと改めて感じさせられた。

蒼き狼

蒼き狼(新潮文庫)

蒼き狼(新潮文庫)

大岡昇平との間で論争になったそうだが、どこが問題だったのかよくわからない。部族同士の戦いが、奪い奪われることだった時代ということを感じさせる。

大黒屋光太夫

大黒屋光太夫(上) (新潮文庫)

大黒屋光太夫(上) (新潮文庫)

  • 作者:昭, 吉村
  • 発売日: 2005/05/28
  • メディア: 文庫
カムチャツカへ漂流し、ロシアで苦労を重ねてようやく帰国するまでを辿っている。ロシアで、もう帰れないと思って洗礼を受けた水夫との別れが悲しい。

地図で読み解く小田急沿線

地図で読み解く小田急沿線 (地図で読み解く沿線シリーズ)

地図で読み解く小田急沿線 (地図で読み解く沿線シリーズ)

  • 発売日: 2020/07/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
新宿から小田原まで、多摩線江ノ島線も含めて解説されているが、最寄り駅がまとめられていて残念だった。

完本 春の城

完本 春の城

完本 春の城

島原の乱をモチーフにした石牟礼道子の小説。まず最初に現地を何度か訪れるルポが掲載され、その後小説が収められているので、スムーズに入っていける。ちょうど雲仙・普賢岳の噴火が激しかった頃に熊本日日新聞に連載していたようだ。小説は、天草四郎を美化しすぎているようにも思うが読み応えがあった。