雪の階

親友の死は本当に心中だったのか。天皇機関説をめぐる華族と軍部の対立、急死したドイツ人ピアニストと心霊音楽協会、穢(けが)れた血の粛正をもくろむ「組織」(グルッペ)……。謎と疑惑と陰謀が、陸軍士官らの叛乱と絡み合い、スリリングに幻惑的に展開するミステリー。柴田錬三郎賞毎日出版文化賞をダブル受賞、ミステリー各誌ベストテン入り!〈解説〉加藤陽子

戦前の華族社会の様子が興味深い。軍艦橿原と違い文章自体はとても読みやすい。