ウクライナ 通貨誕生: 独立の命運を賭けた闘い

一九九一年、ソ連からの独立を宣言したウクライナは国の命運をかけて、未知の市場経済へと手探りで漕ぎ出した。自国通貨創造の現場に身を置いた日本人エコノミストによる、ゼロからの国づくりの記録。二〇一四年マイダン革命、二〇二二年ウクライナ戦争への追記「誰にウクライナが救えるか(正・続)」を併せ収録。(解説=佐藤優)

30年前にウクライナに経済調査のために赴任していたエコノミストの記録。ウクライナは東部と西部で全く成り立ちが異なると指摘されている。ロシアのウクライナ侵攻後、ウクライナは一枚岩という印象が強いが、侵攻を受けたからそうなっているのか、その前からもそうだったのかはよくわからない。30年前は、行政組織も働く人たちも、まだ共産主義国家そのものだった様子がよくわかる。