革新自治体 - 熱狂と挫折に何を学ぶか (中公新書) 岡田 一郎 中央公論新社 2016-07-20 売り上げランキング : 8846 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
一九六〇~七〇年代に蜷川虎三、美濃部亮吉、黒田了一、飛鳥田一雄など個性的な首長を擁し、脚光を浴びた地方の革新自治体。だが、現在では、「巨額の財政赤字をもたらした」というレッテルのみで語られがちだ。本書は、革新自治体の台頭の背景から政治的取り組みまでを詳述し、その功罪も描く。国政とも深く関係して躍進し、そして消えていった地方の“左翼政権”は何を残したのか。現在の国政や地方自治を再考する試み。
都知事選前にちょうど出された本。著者は筑波大の社会学類出身。
革新自治体のイメージである「巨額の財政赤字」は必ずしも正しくなく、美濃部都政の末期をとらえたものでしかないこと、なぜ革新自治体が消えていったのかは、社共の争いが激しくなり、当初は引き込めていた公明、民社などを自民党サイドに手放してしまったためであることなど、イメージが上書きされていって勉強になる。