太平洋の試練真珠湾からミッドウェイまで下 (文春文庫)

太平洋を席巻する日本に対し、真珠湾で戦艦のほぼすべてを失った米国は苦しんでいた。太平洋艦隊司令長官ニミッツは決断する。「戦力差を情報力で覆す」。ハワイの秘密部隊は着々と日本軍の暗号解読を進め、そして決定的な情報を掴んだ。やつらはミッドウェイにやって来る―!知的興奮に溢れた、かつてない太平洋戦争史。

上巻ではほとんど陸軍は無視されていたが、下巻でもフィリピンの戦いにはあまり言及がない。著者はマッカーサーが大嫌いのようだ。

ミッドウェー海戦のくだりを読んでいると、結果はとうに分かっているのに胸が痛くなるし、飛龍の航空隊が一矢を報いるあたりは手に汗を握る。海戦描写の躍動感がすばらしい。

三部作で、現在二作目が単行本で出ているが、ガダルカナルからサイパン陥落までを扱っているようだ。最終巻は、レイテ海戦から大和沈没までになるのか、それともミズーリ号の降伏調印なのか、はたまた長門の核実験沈没になるのだろうか。