「風と共に去りぬ」のアメリカ―南部と人種問題

「風と共に去りぬ」のアメリカ―南部と人種問題 (岩波新書)「風と共に去りぬ」のアメリカ―南部と人種問題 (岩波新書)
青木 冨貴子

岩波書店 1996-04-22
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人種・民族のるつぼのアメリカでは,共生と軋轢が日常だ.人々は心の奥深くでこれをどう考えているのか.アトランタをはじめ各地を旅し,世界的大ベストセラー「風と共に去りぬ」を生んだ南部の土壌を,豊富なインタビューで描き出すことにより,人種間の複雑な思いを明らかにしていく.さらには,いまも続く北部との違いも浮かび上がる斬新なアメリカ案内.

アトランタ五輪の直前に発刊されたもの。風と共に去りぬを読んでいると、黒人への無遠慮な差別意識を感じるが、アメリカの黒人たちも多くはそう感じているようだ。著者は多くの黒人にインタビューしているが、読むに堪えないという人もいれば、我が闘争に匹敵する悪書だという人もいる。ミッチェルは、「古き良き南部の白人」の意識が抜けないまま、それを善として疑問を持つこともないまま、風と共に去りぬを書いたのだろう。